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【令和7年度最新版】社員研修・DXリスキリングに活用できる助成金を人事・研修担当者向けに解説!

本コラムでは、企業が従業員のスキルアップのために投資を行う場合に助成される「助成金」について、令和7年度の最新情報をご案内します。DXによる業務効率化や、企業成長のための新規事業開発、グローバル化、リスクマネジメントとしての社員研修など、あらゆる業種・職種において、リスキリングは重要な企業課題となっています。これらのニーズを受け、国も、従業員教育への支援施策を複数打ち出しています。本コラムでは、主に厚生労働省が行っている企業向けの支援施策について最新情報をお伝えしていきます。助成金を有効活用し、人材育成を強化していくことで、さらなる企業価値向上につなげていきましょう。
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【厚生労働省】人材開発支援助成金
厚生労働省が実施している企業向けの人材育成に関する主な助成金として、「人材開発支援助成金」があります。これは、企業が従業員のスキルアップやキャリア形成を目的として実施する職業訓練や教育に対して、国が費用の一部を助成する制度です。企業の人材育成を支援することで、労働者の能力向上や企業の生産性向上を図ることを目的としています。 主な受給要件は(1)雇用保険の適用事業所であること(2)支給審査への協力(3)期間内の申請が可能である点となっています。本制度には、現在(2025年3月時点)、7つのコースがありますが、助成期間が限定されているものや中小企業事業主限定の施策もありますので注意が必要です。以下、コースごとにその内容をご案内していきます。
①人材育成支援コース
人材育成支援コースは、職務に関連する知識やスキルを習得させるための訓練を10時間以上受けた場合や、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付きの訓練等を実施した際に訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されるものです。助成額は企業規模(大企業、中小企業)や従業員の雇用形態により異なります。
- ※( )内は大企業の場合
- ※1=正社員が対象 ※2=非正規社員が対象 ※3=非正規社員で正社員化した場合が対象
- ※6=訓練修了後に受講者の賃金が5%以上上昇した場合、又は、資格等手当の支払があり、さらに賃金が3%以上上昇している場合に、助成率等を加算
②教育訓練休暇等付与コース
有給の教育訓練休暇制度を導入し、従業員の自己啓発を支援する企業に対して助成されます。助成額は、事業所ごとに30万円(一律)となっていますが、賃金要件を満たす場合は36万円になります。
③人への投資促進コース
デジタル人材・高度人材育成・成長分野で求められるスキル習得のための訓練やサブスクリプション型の研修サービスなどを利用した場合、訓練の経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成するコースです。※当コースは令和8年度までの期間限定助成助成額は下表の通り。
- ※( )内は大企業の場合
- ※4=国内の大学院が対象 ※5=有給休暇の場合が対象
- ※6=訓練修了後に受講者の賃金が5%以上上昇した場合、又は、資格等手当の支払があり、さらに賃金が3%以上上昇している場合に、助成率等を加算
④事業展開等リスキリング支援コース
新規事業の立ち上げなどの事業展開に伴い、労働者に新たな分野で必要となる知識や技能を習得させるための訓練費用を助成します。必要なスキルや資格取得のための研修を実施した場合などにかかった訓練経費、訓練期間中の賃金の一部が助成される支援制度です。※当コースは令和8年度までの期間限定助成助成額は以下の通り。
※( )内は大企業の場合 ※7=令和8年度末までの時限措置
参考資料:人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)(厚生労働省)⑤建設労働者認定訓練コース
建設関連の認定職業訓練または指導員訓練を実施した場合や、建設労働者に有休で認定訓練を受講させた場合に助成が適用されます。※助成対象事業主は中小建設事業者
助成額は対象経費の1/6、賃金助成の額は、建設労働者一人あたり1日3,800円で、賃金要件や資格等手当要件を満たした場合は、1,000円が上乗せとなります。
⑥建設労働者技能実習コース
雇用する建設労働者にスキル向上を目的として実習を有給で受講させた場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。※助成対象事業主は中小建設事業者
助成金は、従業員が20人以下と21人以上とで助成額が異なります。以下は21人以上の場合となりますが、経費の助成は、対象費用の7/10、賃金の助成は一人1日7,600円で、賃金要件や資格等手当要件を満たした場合、上乗せがあります。
⑦障害者職業能力開発コース
障害者の職業能力開発訓練施設等の設置や運営費に対して助成が行われます。
参考資料:障害者能力開発助成金(JEED)【厚生労働省】特定求職者雇用開発助成金
対象労働者を、デジタルやグリーンに関連する「成長分野等の業務」に従事させ、支給要領に定める人材開発支援助成金を活用した訓練を行った場合に、助成が適用されます。具体的には、以下の2つのメニューがあります。
- 助成メニュー1【成長分野】
- 高年齢者や障害者等の就職困難者を、ハローワーク等の紹介により雇い入れて、「成長分野の業務」に従事させ、人材育成や職場定着に取り組む場合に、特定求職者雇用開発助成金の他のコースより高額の助成金を支給する制度です。ここでいう成長分野の業務とは、IT分野の「情報処理・通信技術者」や、脱炭素・低炭素化などに関する「研究・技術の職業」を指します。
- 助成メニュー2【人材育成】
- 未経験の就職困難者を、ハローワーク等の紹介により雇い入れて、人材開発支援助成金による人材育成を行い、賃上げを行った場合に、特定求職者雇用開発助成金の他のコースより高額の助成金を支給する制度です。
助成金を申請するには
本コラムでは、厚生労働省が実施している企業向けの人材育成・リスキリング支援施策について、概要をご案内してきました。各施策については、企業の従業員数、業種、研修や訓練の内容、時間数、賃金要件、対象となる従業員の属性など、様々な要因によって助成金の適用有無が変わってきます。
非常に複雑な内容になっておりますので、申請を検討される場合には、まず詳細について、各地域の労働局かハローワークにて、具体的な申請内容及び申請方法などを確認後、期間内に申請を進めていくのが良いでしょう
また、人材育成・リスキリング以外にも、様々な種類の企業向け助成金制度があります。キャリアアップ助成金や人材確保等支援助成金など、国が運用している厚生労働省の雇用関係助成金一覧のページを是非ご覧になり、支援施策を上手に活用していきましょう。
参考資料:「雇用関係助成金一覧」(厚生労働省)LEC東京リーガルマインドのおすすめ研修
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監修者情報
林 雄次(はやし ゆうじ)
LEC専任講師/はやし総合支援事務所 代表
情報処理安全確保支援士・資格ソムリエ®・デジタル士業®
プロフィール | はやし総合支援事務所代表 LEC講師(ITストラテジスト/G検定/基本情報技術者/情報セキュリティマネジメント/ITパスポート/DX戦略研修/生成AI活用研修など) 1980年生まれ、東京都足立区出身。筑波大学附属高校卒業後、社会福祉を志し、淑徳大学にて社会福祉を学び社会福祉士の資格を取得。卒業後はITを通じて多くの方に役立つべく、 IT関連企業で1000社以上の中小企業の業務改善に従事し、業務・システムに精通。副業として『はやし総合支援事務所』開業、兼業2年を経て独立。 保有資格はシステム監査技術者、ITストラテジスト、プロジェクトマネージャ、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、 ITサービスマネージャ等の高度情報処理技術者資格から、kintone認定カイゼンマネジメントエキスパート、中小企業診断士、社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナー等ビジネス系、 健康経営アドバイザー、潜水士、防災士、さらには僧侶まで大変幅広く、550を超える。 上場企業からベンチャーまで幅広い企業での顧問や、講演、執筆、監修などに対応。士業向けに「デジタル士業」オンラインサロン主催、個人向けの資格・開業コンサルなどで幅広く活動。 「資格ソムリエ」としてテレビ・ラジオ・雑誌等のメディアで活躍中。 |
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経産省:認定情報処理推進機関 中小企業庁:認定経営革新等支援機関 デジタル庁:デジタル推進委員 日本パラリンピック委員会 情報・科学スタッフ 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)セキュリティプレゼンター 全国社会保険労務士会連合会 情報セキュリティ部会委員 東京都社会保険労務士会 デジタル・IT化推進特別委員 広報委員 日本の資格・検定 公認アンバサダー |
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