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【2026年最新】人事部が対応すべき法改正・実務まとめ3
ハラスメント対策・労基法改正・実務チェックリスト編

【2026年最新】人事部が対応すべき法改正・実務まとめ3 ハラスメント対策・労基法改正・実務チェックリスト編

2026年は、人事労務の実務に直結する法改正が複数施行予定であり、就業規則・社内規程、運用フロー、システム設定、従業員への説明まで一体で準備が必要です。 本コラムでは、膨大な改正内容を全3回にわたって徹底解説。
第3回となる本記事では、施行時期を軸に「いつ・何を・どこまで」対応すべきかを整理し、ハラスメント・労働基準法改正の方向性など主要テーマの改正ポイントと実務アクションをチェックリスト形式でまとめます。
※法案・省令・指針などにより内容や施行時期が変わる可能性があるため、確定情報と検討中論点を分けて解説します。

ハラスメントや労基法改正への備えは万全ですか?

  • カスハラ義務化に備えたい
  • 就活セクハラを防ぎたい
  • インターバル導入に迷う
  • 連続勤務の制限を知りたい
  • 改正対応の漏れを防ぎたい

本コラムでは、人事担当者へ、ハラスメント対策義務化と労基法改正の最新動向を解説します。

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1. なぜ「ハラスメント対策」と「未来の労基法改正」が組織防衛に不可欠か

シリーズ最終回となる第3回では、企業のブランド価値とコンプライアンスの根幹を支える「ハラスメント対策」と、将来の働き方を左右する「労働基準法」の動向を扱います。カスタマーハラスメント(カスハラ)や就活セクハラの対策義務化は、現場の従業員を心理的ダメージから守るだけでなく、離職防止やSNS炎上といった経営リスクを防ぐための「防衛線」です。
また、検討が進む労働基準法の改正論点は、今後の働き方のスタンダードを形作るものです。義務化されてから慌てて対応するのではなく、今のうちから自社の運用の「歪み」を可視化し、変化に強い組織基盤を築くことが人事部に求められています。

2. 労働施策総合推進法の改正:カスタマーハラスメント防止

カスタマーハラスメント(カスハラ)対策が義務化され、方針の明確化と現場運用(相談・初動・エスカレーション)が実務の鍵になります。対外対応も含めて整備します。2026年10月1日より、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策が全事業主の雇用管理上の措置義務となります(根拠:2025年6月11日公布の改正労働施策総合推進法)。

カスハラは、現場だけで解決しようとして、従業員が心理的に追い込まれ、メンタル不調や退職に至ることが特徴です。管理部門をはじめとする本社のスタッフが現場から適切に問題を吸い上げ、関与していく必要があります。カスハラ対策は、従業員保護だけでなく、離職、労災、SNS炎上など、経営リスクを防ぐことに直結します。

実務で重要なのは、方針を掲げるだけでなく、対応してよい範囲を具体化することです。対応中止、退店要請、録音・記録、警察への相談など、現場が迷わない基準があると初動が速くなります。また、証拠と記録がないと会社として支援ができないため、記録様式、保存ルール、関係部署への共有手順を整え、従業員が安心して相談できる窓口設計とセットで運用します。

参考:「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(厚生労働省)

2-1. 防止措置の要件と社内ルール

社内ルールでは、カスハラの定義と対象場面を明確にします。店舗、営業、コールセンターなど、場面ごとに起こり得る行為例を示すと、現場の判断が揃います。

従業員保護の観点から、対応中止、退店要請、出入り禁止、警察・弁護士相談などの選択肢を明文化します。就業規則の服務規律や懲戒との関係も整理し、従業員がルールに従って行動した結果として不利益を受けない設計が必要です。

運用面では、記録様式と証拠保全が要です。日時、相手、発言内容、対応者、エスカレーション履歴を残せるテンプレートを用意し、録音・映像などの取り扱いルールも含めて整備します。

【実務の要】記録様式と証拠保全

  • テンプレートの活用:日時、相手、発言内容、エスカレーション履歴を網羅。
  • ルール整備:録音・映像データの取り扱い(保存期間・アクセス権限等)を明確化。

2-2. 相談窓口・教育・取引先対応

相談窓口を設ける際には、法務、現場責任者、場合により広報とも連携できる体制にします。初動対応フローを決め、現場が抱え込まないようエスカレーション条件を明確にします。

教育は、知識よりも実践が重要です。ロールプレイで言い回し、断り方、上長への引き継ぎを練習し、対応後のメンタルケアや休務判断まで含めて周知します。

BtoBにおいては取引先からの過剰要求が起こりえます。通知文や契約条項の整備が有効です。中小受託取引適正化法や独禁法の違反事例に該当するケースも考えられるので、法務部とも連携した一次対応が重要です。万が一カスハラ事案が起きた場合には、再発防止協議も設定します。

✓ 実務アクション:現場判断基準の策定と体制構築

  • 場面別のカスハラ定義と「対応中止・退店要請」の具体的判断基準の策定
  • 証拠保全のための記録テンプレート(日時・内容・対応履歴)の導入
  • 現場から本社(法務・人事等)へのエスカレーションフローの明確化
  • 取引先に対するカスハラ防止方針の通知および契約条項の見直し検討

関連コラム:「カスハラとは?対応策・事例や義務化される条例について解説!」

3. 男女雇用機会均等法の改正:求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止

2026年10月1日より、求職者等に対するセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)対策が義務化され、全事業主の雇用管理上の措置義務となります。

就活セクハラとは、事業主が雇用する労働者による「性的な言動」により求職者等による求職活動等が阻害されるものをいいます。

求職者等には、求職者(企業の求人に応募する者)だけでなく、求職者以外の者であって、事業主の実施する労働者の採用に資する活動に参加する者や、教育実習、看護実習その他の実習を受ける者も含まれます。

求職活動等とは、求職者が行う求職活動や求職者に類する者が行う職業の選択に資する活動を指し、企業の採用面接への参加、企業の就職説明会への参加、企業の雇用する労働者への訪問、インターンシップへの参加、教育実習等の実習の受講が含まれます。なお、SNS等のオンラインを介したものやオンライン上で行われるものも含まれます。

事業主は、事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発、相談体制の整備、事後の迅速かつ適切な対応、そのほか併せて講ずべき措置を必ず講じなければなりません。

参考:「職場におけるハラスメントの防止のために」(厚生労働省)

【定義】対象となる「求職者等」と「求職活動等」

  • 求職者等:求職者(企業の求人に応募する者)、事業主の実施する労働者の採用に資する活動に参加する者、教育実習、看護実習その他の実習を受ける者
  • 求職活動等:企業の採用面接への参加、企業の就職説明会への参加、企業の雇用する労働者への訪問、インターンシップへの参加、教育実習等の実習の受講(SNS等のオンラインを介したものを含む)

✓ 実務アクション:事業主が講ずべき措置

  • 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
  • 相談体制の整備
  • 事後の迅速かつ適切な対応
  • そのほか併せて講ずべき措置

関連コラム:「【2026年最新】ハラスメントの定義・種類とは?一覧表と対策・防止策を解説!」

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4. 【検討中】労働基準法改正の方向性(2026年度以降)

確定前でも、勤怠・休日・割増・年休賃金など基幹実務に影響し得る論点が並びます。成立後に慌てないため、論点ごとに改正の方向性について紹介していきます。検討中の改正は、現時点で義務が確定していない一方、実務インパクトが大きいのが特徴です。だからこそ、今やるべきは結論待ちではなく、現行運用で危うい箇所の可視化です。

特に、シフト制、交替制、緊急対応がある部門は、連続勤務や勤務間インターバルの論点が影響します。現状の勤務実績をデータで把握し、例外的運用が常態化していないかを点検します。

副業・兼業や「つながらない権利」は、制度より文化と運用が先に問われます。申告制度、連絡ルール、評価への影響排除など、従業員との間で対立・相違が生じやすいポイントを先にルール化しておくと、改正が確定した際の修正範囲が小さくなります。

改正検討論点 現行の状況 改正の方向性(案)
14日以上の連続勤務 法定休日(週1回)があれば可能 最大13日までに制限
勤務間インターバル 努力義務(未導入企業が多い) 11時間以上等の休息義務化
副業労働時間通算 本業・副業の時間を合算して計算 合算を廃止または簡素化
つながらない権利 ルールなし(時間外連絡が常態化) 時間外連絡の拒否権を明文化
年休賃金算定 3つの方式から企業が選択 「通常賃金」方式に統一

4-1. 14日以上の連続勤務の見直し

過労死防止の見地から、14日以上の連続勤務を禁止し、上限を最大13日とする改正が議論されています。改正前に行っておくべき対策としては、連続勤務が起こる部門を棚卸しし、実績データで頻度と要因を確認します。繁忙期、欠員、属人化、応援体制不足など、原因によって対応策が変わります。

代休・振休の運用が複雑だと、休日確保が形だけになりやすいです。休日付与のルールと、付与・取得の管理方法を整理し、現場が迷わない仕組みにします。勤怠システム上、連続勤務が10日や12日を超えるシフトが組まれた場合にアラートを出す等、勤務計画段階でのチェックも有効です。交替制などで一律に止められない場合は、代替案として応援体制、業務平準化、外部リソース活用なども含めて複数案を用意します。

4-2. 勤務間インターバル制度

「勤務間インターバル制度」とは、前日の終業時刻から翌日の始業時刻の間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を確保する仕組みを指します。具体的な休息時間については、議論されている最中ですが、終業から始業まで「11時間以上」とする意見が有力です。

改正前の対策として、まず退勤から出勤までの間隔を現状把握します。終電対応、深夜障害対応、緊急呼び出しなど、短くなりやすいパターンを特定すると、対策が現実的になります。ルール化する場合は、原則と例外をセットで設計します。例外の承認者、代替措置(翌日の始業繰り下げ、当番制、代休など)、記録方法を決めると運用が回ります。勤怠システムは、警告表示だけではなく、承認フローや是正指示までつなげるのが効果的です。

4-3. 副業・兼業の労働時間通算ルール

現行の労働基準法では、副業・兼業についても「原則として1日8時間以内」という時間外労働のルールをあてはめて、「本業」と「副業」の労働時間を合算して残業の計算を行い、割増賃金を支払うよう定められています。このルール通りに給与計算するためには、従業員が「本業」「副業」の勤務時間を、両方の人事部(給与計算を行う部署)へ伝える必要があり、仮に情報共有されたとしても、計算事務の負担が非常に重くなるという問題があります。

そこで、副業解禁をより実質的に推進するために割増賃金の計算から労働時間通算を廃止・簡素化する法改正の議論がなされています。現行でも問題になりやすいのは、過重労働の兆候把握と、勤怠の整合です。働きすぎを早期に検知するため、自己申告、面談、ストレスチェックなど複数の情報で確認する設計が必要です。通算ルールが変更された場合に備え、規程・申請書式・勤怠連携の見直し案を用意します。給与計算の論点と健康管理の論点を分けて整理すると、改正時の対応が速くなります。

関連コラム:「離職を防ぐストレスマネジメントとは?50人未満もストレスチェックが義務化!」

4-4. 「つながらない権利」の議論

「つながらない権利」とは、退勤後や休日に、上司や同僚からの電話、メール、チャットといった、業務上の連絡への対応を拒否できる権利を指します。ヨーロッパを中心に法制化が進んでいます。仮に日本で導入された場合、ツール別に誰がどの時間帯に連絡しているかを人事部等が確認できるような仕組みが必要となります。その上で、連絡ルールを整備することになります。

連絡ルールは、緊急の定義、当番制、返信期待値を決めることが中核です。返信しなかったことを評価に影響させない、不利益にしないという原則も合わせて明文化します。また管理職教育が不可欠です。善意の確認が負担になるケースもあるため、連絡の目的を整理し、翌営業日対応でよいものは時間外に送らないなど、運用を具体化します。

4-5. 年休賃金算定の通常賃金方式への統一

年次有給休暇(年休)を取得した日の賃金算定について、1.通常賃金、2.平均賃金、3.標準報酬日額の3つの方式から企業が選択できますが、これを「通常賃金」原則一本化・統一の方向で議論がされています。

まず自社の年休賃金の算定方式を確認します。通常賃金方式に統一されると、給与計算設定の変更に加え、手当や歩合の扱いが論点になります。職種ごとに不利益が出ないかを試算し、必要なら賃金規程の見直しも含めて検討します。従業員説明では、休んでも賃金がどう扱われるかが関心事です。変更がある場合は、いつから何が変わるか、対象者は誰か、具体例で示し、問い合わせ窓口を用意します。

✓ 実務アクション:法改正に備えた現状把握と予備設計

  • 勤怠データによる「14日連続勤務」「11時間インターバル」の発生状況の可視化
  • 副業・兼業に関する現行の労働時間通算管理プロセスの棚卸し
  • 時間外の連絡ルール(緊急時の定義等)の策定と管理職への周知

関連コラム:「【人事担当者が押さえておきたい】労働基準法の改正点とその影響、理解と適用」

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5. 人事部の実務チェックリスト

改正対応を漏れなく進めるために、施行タイミングに合わせて「規程」「周知・研修」「システム・外部委託」に分けてチェックします。自社の状況に合わせて工程表に落とし込めるように整理します。

チェックリスト化の目的は、抜け漏れ防止だけでなく、関係者の認識合わせです。法改正対応は人事だけでは完結せず、現場、法務、情報システム、給与ベンダー、協会けんぽ・健康保険組合など複数の主体が関与します。

対応領域 主な関係主体(人事部との連携先)
規程・法的対応 法務部門、労働基準監督署、顧問弁護士
周知・教育 現場責任者(管理職)、労働組合・従業員代表、広報部門
システム・実務 情報システム部門、給与アウトソーサー、給与システムベンダー
社会保険・福利厚生 協会けんぽ・健康保険組合、年金事務所、委託先機関(ストレスチェック等)

施行月ごとに、規程改定の締め切り、労使手続の期限、システム改修のリリース時期、周知の開始時期を明確にします。特に、労使手続とシステム改修はリードタイムが長いので先に確保します。また、周知は一度行って終わりにせず、問い合わせ傾向を見てFAQを更新する運用が効果的です。制度を回しながら改善する前提で、記録と振り返りの仕組みまで作ると、翌年以降の負担が減ります。

【厳守】対応工程の優先順位

  • 労使手続(優先度:高):意見聴取から届出まで1〜2ヶ月を要するケースを想定。
  • システム(優先度:高):ベンダーの改修キャパシティ確保のため早期発注。

5-1. 規程改定(就業規則・賃金・育児介護・安全衛生)

改正論点に対応する規程を洗い出し、どの規程を改定するかを一覧化します。就業規則だけでなく、賃金規程、安全衛生規程、ハラスメント規程、両立支援規程、外部委託の安全条項など関連文書を同時に整合させることが重要です。

改定は、案作成、社内レビュー、労使手続、届出、周知の順に進めます。工程表を作り、誰がどこで承認するかを明確にすると、施行直前の差し戻しを防げます。規程は書いただけでは運用されません。現場で使う申請書式、マニュアル、チェックシートまで同時に用意し、規程と運用のずれが起きないようにします。

STEP1着手

改定が必要な規程を一覧化し、現場用の申請書式やマニュアル案も併せて準備する。

STEP2作成

規程改定案の作成および社内レビューを行い、承認権限者を確認する。

STEP3確認

従業員代表等への意見聴取を行い、所轄の労働基準監督署へ届出手続を行う。

STEP4運用

改定規程を全社周知し、現場マニュアルに基づいた新しい実務をスタートさせる。

5-2. 社内周知と研修(管理職・現場・労組)

周知は、従業員向けと管理職向けで内容を分けます。従業員向けは変更点と手続きを簡潔に、管理職向けは判断基準と初動対応を具体的に伝えると、現場の事故を減らせます。

研修は、カスハラ初動、両立支援面談、ストレスチェックの不利益取扱い禁止など、ミスが起きると重大化しやすいテーマを優先します。座学だけでなく、ケーススタディで運用判断を揃えると効果が出ます。労組・過半数代表への説明タイミングも工程に組み込みます。直前説明は反発が起きやすいため、方針決定前の早い段階で論点を共有し、必要な意見聴取の場を確保します。

STEP1着手

対象別に資料を切り分け、方針決定前の早い段階で論点を共有し反発を防止する。

STEP2作成

現場が迷わないよう、具体的な判断基準を盛り込んだケーススタディ資料や教育資材を作成する。

STEP3確認

研修を実施し、現場の運用判断基準が揃っているか、実務上の懸念がないかを最終確認する。

STEP4運用

問い合わせ傾向に基づきFAQを更新し、現場が問題を抱え込まないフォロー体制を維持する。

5-3. システム・外部委託(給与計算・社保・ストレスチェック)

給与・社保・勤怠・人事データの改修点を洗い出し、ベンダーと対応範囲と費用、リリース時期を確認します。控除項目、加入判定ロジック、集計仕様、公表用データの出力など、テストが必要なポイントを先に定義します。

外部委託は、ストレスチェックや作業環境測定など、専門性が必要な領域で有効です。ただし委託した場合でも責任がゼロになるわけではないため、委託契約で個人情報や安全衛生上の責任分担、再委託、事故時対応を明確にします。運用開始後の問い合わせや障害対応も想定し、窓口とSLA(対応基準)を整理します。特に繁忙期の給与締めや社保手続と重なるため、サポート体制を事前に確認しておくとリスクを抑えられます。

STEP1着手

ベンダーと改修範囲・費用を調整。特に加入判定ロジックなどの仕様を早期に定義する。

STEP2作成

システム改修を進め、外部委託先とは責任分担や事故時対応を明記した契約を見直す。

STEP3確認

本番稼働前に給与計算・控除のテストを繰り返し、障害発生時のSLA(対応基準)を確認する。

STEP4運用

リリース後の安定稼働をモニタリングし、繁忙期のトラブルに即応できるサポート体制を敷く。

✓ 実務アクション:法改正対応工程の管理

  • 施行日から逆算した規程改定・労使手続・システムテストのスケジュール策定
  • 各改正事項における「対象規程」と「改修システム項目」のマトリクス作成
  • 役割分担の明確化(人事・法務・現場・外部ベンダー)と連携窓口の設置

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6. 【第3回まとめ】組織の防衛線を築き「変化に強い人事基盤」を完成させる

全3回にわたり、2026年の主要な法改正と実務対応を解説してきました。最終回で扱ったハラスメント対策は、企業のブランド価値や採用力に直結する喫緊の課題です。また、今後予定されている労働基準法の改正動向にも注視し、変化に強い組織基盤を築く必要があります。

2026年の改正は、データ開示・健康安全・ハラスメント・社会保険など実務の横断対応が鍵です。施行時期から逆算し、規程・体制・システム・説明の4点セットで準備を完了させましょう。

2026年の法改正対応は、単発の規程改定では終わりません。公表データの定義統一、外部委託を含む安全衛生の責任範囲、カスハラや両立支援の運用フローなど、継続運用の品質が問われます。

最優先は、施行月から逆算して工程を引き、関係者と合意することです。特にデータ集計やシステム改修は時間がかかるため、前提が固まった部分から先に着手し、確定情報は差分で吸収できる体制にします。

規程・体制・システム・説明をセットで整えると、監査対応や問い合わせにも耐え、従業員の安心感にもつながります。法改正対応を負担ではなく、働きやすい環境づくりと人材確保への投資として進めましょう。

2026年は、人事労務のあり方が大きくアップデートされる年です。本シリーズの最後にご紹介した「実務チェックリスト」を活用し、優先順位を明確にした上で、経営層や現場と連携して着実な準備を進めてください。

【振り返り】2026年法改正対応の4点セット

  • 規程:就業規則・賃金規程・各ハラスメント指針等の整合と改定
  • 体制:相談窓口の設置・運用フローの確立・関係部署との連携強化
  • システム:給与計算・勤怠管理・社保判定ロジックの改修とテスト
  • 説明:管理職・一般従業員・労組等への階層別周知と教育

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監修者情報

反町 雄彦 そりまち かつひこ

株式会社東京リーガルマインド 代表取締役社長/弁護士

1976年 東京都生まれ
1998年 11月 東京大学法学部在学中に司法試験合格。
1999年 3月 東京大学法学部卒業。
4月

株式会社東京リーガルマインド入社、以後5年間、司法試験対策講座の講義を行い、初学者向けの入門講座から中上級向けの講座まで幅広く担当し、多くの短期合格者を輩出した。

2004年 3月 司法研修所入所。
2005年 10月 弁護士登録(東京弁護士会所属)。
2006年 6月 株式会社東京リーガルマインド取締役。
2008年

LEC司法試験対策講座統括プロデューサーを務め、以後、現在に至るまで資格試験全般についてクオリティの高い教材開発に取り組んでいるほか、キャリアデザインの観点から、多くの講演会を実施している。

2009年 2月 同専務取締役。
2011年 5月 同取締役。
2014年 4月 同代表取締役社長。
2019年 4月 LEC会計大学院学長
2023年 東京商工会議所中野支部・情報分科会長に就任
2024年 一般社団法人ラーニングイノベーションコンソシアムの理事に就任

反町 雄彦社長

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