• 人事・労務
  • 公開日:

内定者研修の内容やメリットは?いつ、どのくらいの頻度で?

内定者研修の内容やメリットは?いつ、どのくらいの頻度で?イメージ

本コラムは、内定者研修はいつ、どう行えばよいのかという悩みをお持ちの人事責任者、採用担当者の方におすすめです。内定を出した学生に入社前からコミュニケーションを取り、不安を解消することで内定辞退を防ぎ、入社後に社員として早期から活躍してもらえるよう、内定者研修を有効的に活用しましょう。本コラムでは、内定者研修の目的やメリット、内定者研修を成功させるためのポイント、具体的な研修プログラムの例もご紹介します。内定者研修を効果的に実施し、会社でいきいきと活躍できる社員を育成しましょう。

おすすめの方
内定辞退や早期退職を防ぎたい企業の方、経営者、採用担当者
内定期間を、社員育成期間をして有効活用されたい企業の方
効果的な内定者研修の実施方法について理解したい方

1.内定者研修とは?

1-1 内定者研修を実施する目的

内定者の不安解消

内定者は、初めて企業で働くことに対して色々と不安を抱えています。その不安が募ると最悪の場合、内定辞退し他の会社に行ってしまったり、入社後も早期退職につながる可能性もあります。内定者研修を効果的に実施することによって内定者を心理的にフォローし、安心して入社を迎えてもらうことができます。

内定者の早期戦力化

現場で入社後にすべて0から教えなければならないと、新入社員の受け入れが負担になります。また、学生気分のまま入社をしてしまっては、その後の気持ちの切り替えにも時間がかかってしまいます。内定者の期間を有効活用し、内定者研修により社会人としてのマインドセットや必須なビジネススキルを身に着けてもらうことで、早い段階で会社で活躍してもらうことができるようになります。

1-2 内定者研修を実施するメリット

必須スキルを身に着けることができる

業務上必須のスキルを内定者のうちに習得してもらうためにも内定者研修は重要です。OAスキルやビジネスマナーなどを入社前に習得してもらうことによって、入社後スムーズに業務を習得することができます。また、お金を払って勉強をする「学生」という立場と、お金をいただいて仕事をする「社会人」という立場では、必要なマインドセットが全く異なりますので、内定者研修で社会人としての自覚を持ってもらうことで早期活躍につなげることが可能です。

さらに内定者研修を行う二次的なメリットとして、入社後の早期戦力化が図れると、早期離職も防ぐことができます。入社後にすべてを勉強するのでは新入社員にとっても負担がかかり、「なかなか仕事についていけない」という新たな悩みも発生し、早期離職の可能性も高まります。入社前に少しでも必須スキルを身につけてもらい、入社後早い段階で活躍してもらうことで、会社に貢献できていると感じることができ、早期離職を防止することにもつながります

内定辞退の防止

内定者は初めての社会人生活について期待と同時に不安を感じています。そして内定期間中に会社との接点が少ないと、内定者は「本当にこの会社でよかったのだろうか」「実際どんな会社なのだろう」と悩みを持ち、不安が募ると内定辞退をして他の内定先に行ってしまうこともあります。内定者研修によって、同期とコミュニケーションを取ったり会社で自分が働くイメージが持てたりすると、このような不安を解消することができます。また、内定者研修を行うことで、会社が内定者を大切に育てたいという気持ちも伝わります。

人間関係が構築できる

内定者研修によって、先輩や同期と早い段階で交流をすることができます。誰も知らない状態で入社するのと、どんな仲間がいるのか分かっているのとでは、入社までのモチベーションも全く違ってきます。内定者研修でグループワークや懇親会を通じて意見交換してもらうことで、良い刺激を受けてもらいつつ、会社を居場所と感じてもらい帰属意識を高めましょう。また、知っている先輩や同期がいれば何かあれば相談ができるため、入社前のみならず入社後の不安低減にもつながります。

1-3 内定者研修の実施方法

内定者研修の実施方法としては、集合研修とeラーニングがあります。集合研修では、実際に集まり説明会や研修、懇親会を行います。集合研修は、他の人の様子や会社の雰囲気も分かりやすく、モチベーションを高めやすいというメリットがあります。また、スキルの習得などにはeラーニングが有効です。全国から内定者がいる場合など、一同に集まることが難しいこともありますが、eラーニングを活用することでそれぞれが必須スキルを身につけてもらうことができます

1-4 内定者研修のプログラム

一般的には具体的な業務内容ではなく、社会人としての心構えや基本的なビジネススキルなどを研修するケースが多いです。
具体的には、以下のような研修を行っているケースがあります。
・会社紹介や仕事内容の説明
・社会人としてのマインドセット
・基本的なビジネススキル(ビジネスマナー、パソコンスキル、ビジネス文書スキルなど)
・その他業務に必要なスキル(簿記、語学など)

その他業務に必要なスキルの研修内容は企業により様々ですが、会社が最低限身に着けてほしいと思うスキルを内定者研修で習得させるケースが多いようです。

eラーニング「ビジネスマナー、ビジネス文章、ロジカルシンキングなど」の一部を無料でお試しいただけます。

2.内定者研修は、いつ、どのくらいの頻度で実施する?

一般的には4月1日入社の企業が多く、内定式が10月1日に行われるため、内定者研修は10月以降に実施されることが一般的です。しかし場合によっては内定式より前に研修を行うこともあり、その場合は内定者同士の交流などにより同期の関係性を強化し、内定辞退防止を図ることができます。また、内定式で集合する場合、そのまま内定者研修を行うこともあります。

頻度は、あまり少ないと内定者が不安に感じるため、できれば月に1度程度の接触が望ましいです。ただ、2〜3か月に1度程度でももちろん効果はあります。実際に頻繁にリアルで顔を合わせることが難しい場合は、オンラインでの研修も活用しましょう。また、研修も、1日で終わるものから1週間かけて実施するものまで、長さもさまざまです。実際に定期的に会社で実務を体験してもらう就労体験(インターンシップ)などもあります。目的に合わせて研修の内容を検討しましょう。

大切なのは、内定者はまだ学生ですので、学業の妨げにならないようスケジュールを決めていくことです。冬休みや春休みなどの長期休暇期間もうまく活用しましょう。接触の頻度が少なすぎても内定者は不安に感じますが、負荷が多くなりすぎて学業に支障をきたしてもいけないため、適切なスケジュールを考えて研修を行うことが大切です。

3.内定者研修の用意〜実施まで

新入社員研修

3-1 入社6〜7か月前|会社理解、同期同士の関係構築

まずは会社を理解してもらうことが大切です。内定者は就職活動を通じて会社のことを大体は理解していると思いますが、改めてどのような会社に入社するのか、入社後の仕事にどのような意義があるのかなどを理解してもらうことで内定者の会社に対する期待感を高めます。会社の良さをしっかり理解してもらえる研修を準備することが大切です。

さらに、内定者同士で関係構築を行うことで、会社を安心な居場所として認識してもらいます。このタイミングでは懇親会やチームビルディング研修など関係づくりを目的とした研修が効果的です。それによって内定者の不安を解消し、モチベーションアップを図りましょう。また、同期と一緒に先輩社員との座談会に参加することも、先輩社員との関係も築けて個別の質問もできるため、入社に対して前向きな気持ちを高めることができます。座談会の目的次第で先輩社員の誰に参加してもらうのがよいかも変わるため、目的をしっかりと考えた上で先輩社員も選びましょう。

3-2 入社4〜5か月前|社会人としてのマインドセット構築

入社4〜5か月前は、一般的には内定式も済み、入社日がそう遠くない未来として近づいている時期です。そのタイミングで社会人としてのマインドセットを習得してもらいます。お金を払って学校で学ぶ「学生」と、お金をいただいて仕事をする「社会人」の違いをしっかりと学ぶことで、社会人としての自覚を持つことが可能です。ここでしっかりマインドセットを構築することで、その後に続く研修を受講する際の意識も変わってきます。外部のプロ講師などを活用し、内定者の意識を一気に社会人の意識に引き上げましょう

3-3 入社2〜3か月前|ビジネススキルの習得

入社2〜3か月前は、実際に業務で必要になるスキルについて学んでいただきます。時期的にも比較的すぐに入社日を迎え、学んだスキルを業務に活かすことができるため、ビジネスマナーやITスキルなどの必須スキルについて研修を行うとよいでしょう。eラーニングなどを活用し、効率的にビジネススキルを学んでいただくことがおすすめです

上記いずれも、学生であることを意識し、無理のないスケジュールを組むことが大切です。また、労務的な点も注意が必要になります。内定者はまだ雇用契約を結んでいないため、研修への参加を強要することはできません。また、参加が義務と捉えられたり、一定時間集合する必要がある場合は、賃金の支払いなどが必要になることがあります。詳しいことは専門家に確認しながら、内定者にきちんと合意を得たうえで、十分に注意をしながら内定者研修を行いましょう。

4.内定者研修を成功させるうえでのポイント

内定者研修を成功させるうえで大切なポイントをいくつかご紹介します。

内定者の特性やスキルを把握する。

アンケートや課題提出などを行い、まず各内定者の特性やスキルについて把握することが大切です。内定時にすでに身に着けているスキルは何か、どんなことが得意でどんなことが苦手なのかなどを把握することで、強化すべきスキルが分かり、自社の内定者に合った研修を用意することができます。また、どんな性格でどんなキャリア志向を持っているのかなどの特性を把握することは、入社後の配属を決めることにも役に立ちます。

内定者研修のゴールを明確にする。

研修の目的によって適切な研修内容が異なります。まずは研修のゴールをイメージしましょう。内定者に、入社前のどのタイミングでどういう状態になっていてほしいかをしっかりと考え、そのために効果的な研修を組むようにしましょう。

現場で求められている内容を把握する。

内定者研修の内容と、現場が学んでほしい内容に乖離があると、せっかく行う研修が無駄になってしまいます。実際に入社後にどのようなスキルが求められているのか、各現場のニーズをきちんと把握をしましょう。

研修の内容やスケジュールを組み立てる。

上記のように、研修のゴールや現場のニーズを意識したうえで研修の内容やスケジュールを決めましょう。例えば親睦を深めるためなら懇親会や座談会、同期との連帯感を醸成する目的であればグループワーク、ITスキルの習得であればeラーニングでのIT研修を受講してもらうなど、目的に合った研修内容を組み立てましょう。目的をしっかり意識して研修を設計することで、入社後に活躍できる新入社員の育成が可能になります。

内定者が求める内容を盛り込む。

内定者が求める研修内容を盛り込むことも内定者のモチベーションアップに効果的です。多くの内定者は、内定時期に同期や先輩と交流することを望んでいます。内定者同士または先輩社員と楽しく交流ができ、人間関係が構築できるような内容を研修に盛り込み、内定者の不安を解消して入社に対する期待を高めましょう。

5.内定者研修の実施は外部のプロに任せるべき?

内定者研修は外部のプロに任せることが非常に効果的です。内定者研修には内定者の内定辞退を防ぎ、社会人として早期戦力化をするという非常に重要な役割があります。会社紹介や仕事紹介のような内容の研修は社内講師で問題ありませんが、学生の意識を活躍できる社会人レベルに一気に引き上げたい場合などは、やはり研修のプロである外部講師による研修がおすすめです。また、基礎的なビジネススキルについては、カリキュラムとして完成しており、かつ、安価に受講可能なeラーニングを活用するとよいでしょう。研修に合わせてうまく外部研修を活用し、効果的かつ効率的に内定者のレベルアップを図りましょう。

先ずはお問い合わせください!

LEC東京リーガルマインドは貴社の人材育成を成功させるため、集合研修・eラーニング研修・試験対策研修・ブレンディング研修まで、様々なプランをご用意しております。詳細資料のご請求やお見積りのご依頼は、お気軽に法人事業本部まで。

6.まとめ

内定者の不安を解消しモチベーションを高めることができる内定者研修は、内定辞退を防ぐために非常に有効です。さらに、内定者研修を行うことで、内定者期間に必須スキルを習得したり社会人としての意識を醸成できるため、入社後の早期戦力化が図れるという大きなメリットがあります。人材育成は内定者の段階から始まっています。内定者が万全の状態で入社し社会人としてのスタートダッシュを切れるよう、自社の内定者に合った研修をしっかりと整えて、効果的に内定者研修を行いましょう。

LECのおすすめ研修

eラーニング

ビジネスマナーを学ぶ  ビジネス文書の書き方  30分で学ぶコンプライアンス  情報セキュリティ  光る企画書の書き方  コミュニケーションスキルを学ぶ  話し方・書き方が変わるロジカルシンキング

講師派遣型・オンライン

PDCAサイクル研修  マーケティング研修  ハラスメント対策研修  基本がわかる情報セキュリティ研修  ITリテラシー研修

こちらもおすすめ

【コラム記事】新入社員研修はどう作る?目的設定から具体的な手順をご紹介
2022年度 新入社員向け研修

先ずはお問い合わせください!

LEC東京リーガルマインドは貴社の人材育成を成功させるため、集合研修・eラーニング研修・試験対策研修・ブレンディング研修まで、様々なプランをご用意しております。詳細資料のご請求やお見積りのご依頼は、お気軽に法人事業本部まで。

監修者情報

増澤 祐子 ますざわ ゆうこ

 保有資格等   経済産業大臣登録 中小企業診断士、TOEIC925点、中国語(ビジネスレベル)、日商簿記2級
 講師領域   経営法務、ビジネスマナー研修、プレゼンテーション研修、レジリエンス研修、ビジネスディベート研修
 プロフィール   京都大学大学院農学研究科を卒業後、外資系コンサルティングファームに入社し、大手企業に対する業務分析や改善提案など様々なプロジェクトに携わる。その後食品メーカーに転職。コールセンターのスーパーバイザー業務、商品企画、業務効率化を主導し、社長賞を受賞。その後、台湾支店に駐在し、業務全体の管理および現地スタッフのマネジメントを行う。帰国後は、本社経営企画室の課長として、他社の買収統合を含む新規事業の立ち上げを担当。様々な厳しい環境への適応力と、日本国内外でのマネージャー経験を強みとする。

増澤祐子

PAGE TOP