お客様インタビュー│金沢福祉専門学校①
グローバルビジネス学科 学科長
脇田 潤先生
学生に「まず自分の身を守る力」を
◆今回取材にご対応いただいたのは◆
金沢福祉専門学校 グローバルビジネス学科
学科長 脇田 潤先生
2025年4月、金沢福祉専門学校に新設された「グローバルビジネス学科」。定員60名の枠に応募が集まり、在籍する学生は全員が外国人留学生です。同学科では2026年4月から7月にかけて、LECの外国人雇用管理主任者認定講座と日本でのキャリアスタート講座を授業に取り入れ、31名の学生が受験し、全員合格しました。
なぜ、ビジネスを学ぶ留学生に「在留資格」と「労務管理」なのか。学科の立ち上げを担い、自身も行政書士として外国人のビザ業務に携わる脇田潤先生に、導入の背景と率直な講座への評価をうかがいました。
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全員が留学生。6か国の学生が学ぶ「グローバルビジネス学科」
―― 貴校のグローバルビジネス学科と、脇田先生ご自身についてご紹介ください。
本校のグローバルビジネス学科は、2025年4月に開設しました。もともと金沢福祉専門学校は介護福祉学科があり、4年前に日本語学科ができた学校です。ちょうど私が入職するタイミングで「ビジネス学科を作る」ということになり、その立ち上げを担当しました。
おかげさまで定員60名のところに、それを超えるご応募をいただいている状態です。専門学校の商業実務分野に位置づけられ、製造業、ホテル旅館やサービス業、総合職といった幅広い就職を目指して、ビジネス全般を学ぶ学科になっています。来年、初めての卒業生を送り出します。ちょうど今年で1クール終わるところですが、留学生の就職という面では本当に課題が多いと感じているところです。
私は脇田潤と申します。金沢福祉専門学校は3年目で、それまでは石川県の公立学校の教員を21年務めていました。教育という軸を持ちながらこの仕事をスタートし、あわせて行政書士資格を取得して、今年4月に登録・開業しました。学校業務以外で外国人のビザ関連を中心に業務を行っています。今回の講座は自分の専門分野に直結する内容で、かえって私自身が非常に勉強させていただきました。
金沢福祉専門学校のHPはこちら―― 学科の学生の構成を教えてください。
うちの学科は現在、全員が留学生です。介護福祉学科には日本人学生もたくさんいますが、ビジネス学科は外国人留学生のみですね。
一番多いのがネパール、次いでミャンマー、スリランカ、バングラデシュ、モンゴル、ベトナムの6か国という内訳です。
留学生と日本人学生の違い ― 「たくましさ」と「他責志向」
―― 公立学校の教員も経験されたお立場から、外国人留学生と日本人学生の違いを感じることはありますか。
学科の教員とも日々議論している、とても大事なテーマです。もちろん一人ひとり違いますので一概には言えませんが、日本人の教育に長く携わってきた経験から言えることとしては、日本の若者はどんどん内向き志向になってきていると感じます。「選ばなければ仕事はある」という環境の中で、積極的にガツガツいく学生は減ってきているなと。
その点、留学生は本当にたくましい。自分で目標と目的を持って日本に来ている学生が多く、自ら動いて飛び込んでいく。言葉も一生懸命自分で勉強して、仕事を見つけてくる。そのたくましさはすごく感じます。
一方で、留学生全員が同じ温度感というわけではありません。何かを成し遂げようという学生もいれば、周りの流れで来てしまっている学生もいる。そうなると日本語も伸びませんし、企業のルールという部分でも、少し他責志向といいますか、自分に矢印を向けずに何かのせいにしてしまう学生も割といます。
日本人ならこの国で生きていく以上、何かしら仕事は見つかります。でも彼らはある意味で厳しくて、仕事が見つからなければ帰国しなければならない。その現実の認識が、まだまだ弱い学生もいるのが実情です。
「働く自分の足元」を教える教材が、ほかになかった
―― そうした課題感がある中で、LECの外国人雇用管理主任者認定講座を導入いただいたきっかけを教えてください。
専門学校のビジネス学科のカリキュラムを自分で立ち上げてみて感じたのは、「自分が働く会社の制度や日本社会の仕組み」を学ぶ教材がほとんどないということでした。
カスタマーサービスやビジネスマナーといった、お客様に対しての学びは相当やっています。でも、いざ働き始めたときに必要になる自社の仕組みやシステム、ひいては国の制度 ― 今回でいえば労務管理ですね ― そこを扱った教材がなかなか見当たらなかった。
制度を知っていれば、自分自身を助けることができますし、誰かを助けることもできます。何より、働くうえでの日常の解像度が上がります。
実は、これは日本人も同じです。日本の生徒は高校を卒業するまでに労務管理を学ぶ機会はほぼありません。ほとんどの日本人が、働き始めて初めて社会保険や年金が自分ごとになる。そこは日本の教育が遅れているところだと思っています。
そういう問題意識を持っていたときに出会ったのが、今回の教材でした。在留資格と労務管理という、まさに留学生にとっての「足元」の話です。これをしっかり教え込める教材に出会えたのは本当に唯一で、迷わず導入を決めました。知った時点で、「まず自分が試験を受けてみよう」と思いすぐに受験をしました。
倉庫のアルバイトで負傷した学生 ― 労災を「知らない」ことのリスク
―― 実際に、制度を知らないことでミスマッチやギャップを感じた学生はいらっしゃいましたか。
私の学科はまだ卒業生を出していないので直接的な事例ではありませんが、身近なところではアルバイトの場面ですね。
倉庫業のアルバイトをしていた学生が、荷物が落ちてきてケガをしてしまったことがありました。そのときは会社の方が病院まで連れて行ってくださって、治療費も負担してくださいました。「これは労災保険という仕組みなんだよ」と説明できたので良かったのです。
でも、もしそういう対応をしない会社にあたっていたら・・・。学生が泣き寝入りするようなことになったら、それが一番困ります。何も教えられていない状態というのは、本当にリスクなんです。
(LEC) 私どもも、入社前に自国にはなかった制度 ― 給与からの控除や保険の仕組みなど ― が想定と違った、といったご相談を外国人の方からよく伺います。内定取り消しのご相談も企業様から聞くことがあります。
その点、今回の第一期生は資格の勉強をきちんとしていますから、理解は進んでいると思います。
率直な評価 ― 「章立ては秀逸。ただし動画教材は使いづらかった。」
―― 4月から7月まで実際に授業でお使いいただきました。率直なご意見をお聞かせください。
せっかくの機会ですので、正直にお話しさせていただきます。
まず、2つの講座を並べた比較から申し上げると、「外国人向け 日本でのキャリアスタート講座」は非常に良い内容でした。動画も拝見しましたが、とても分かりやすい。スライドが非常に工夫されていて、見ていて理解しやすいです。
それに比べると、外国人雇用管理主任者認定講座のほうは、率直に言って分かりにくかった。動画教材は、書画カメラで教科書を映すのみで、講師の方が本文を読み上げている状態でした。正直に申し上げると、動画教材は使いませんでした。
ではどうしたかというと、ユニットごとに私のほうでスライドを作り直し、要点を整理して、留学生向けに事例やイラストを付けて授業をしました。
教科書についても、文言は日本人の方であれば分かるとは思いますが、これも人を選ぶ教材だなと感じました。日本人に対してでも人を選ぶ内容ですから、留学生に「読んでおいて」と言っても、ほとんど分かりません。読めないのです。ですので、こちらでかみ砕いて授業をしたというのが実際のところです。留学生からも「先生、全然分からない」「動画を流されても分からない」という声を多数聞きました。
―― ありがとうございます。良かった点についてはいかがでしょうか。
手厳しいことばかり申し上げましたが、章立て、トピックの構成は非常にすばらしいと思いました。
限られたページ数の中で、在留資格についても押さえるべきところをしっかり押さえている。私自身、外国人雇用の助成金については不勉強なところがあり、「こんな制度があるのか」と非常に勉強になりました。逆に労務管理は専門外でしたが、章立てが本当に丁寧で、順を追って分かりやすくなっている。
脱退一時金の制度など、外国人目線でトピックが作られている点も含めて、教材としてのトピックの立て方、仕立て方は非常に秀逸だと感じました。
外国人雇用管理主任者に関するよくある質問 はこちら(LEC) 貴重なご指摘をありがとうございます。ちょうど2027年4月以降、育成就労制度への移行で内容が大きく変わる部分もありますので、主任者講座は大幅リニューアルを予定しています。資料の見づらさ、内容面のご指摘は、極力反映できるよう調整してまいります。
もともと主任者講座は、日本人の人事担当者や士業経験のある方が受講される前提で作られたものでした。近年は外国人の受験者も増えている実感がありますので、外国人にとっての分かりやすさは、来年度以降の改訂で工夫していきたいと考えています。
▼ LECのおすすめ講座
外国人雇用管理主任者 認定講座
【外国人向け】日本でのキャリアスタート講座(eラーニング)
学生に伝えたいこと ― 「まず自分を守る。そして後輩を守れる人に」
―― 資格を取得した外国人材に、日本社会でどう活躍してほしいとお考えですか。
一番は、自分の身を守るということです。在留資格の知識、社会保険や労働保険の知識で、まず職業人としての自分を守っていく。その力になってほしいと思っています。
そのうえで、自分のキャリアがスタートして、留学生の後輩や部下ができたときに、きちんとアドバイスができる。そんな人材になってくれたらとてもうれしいです。
さらに言えば、日本の諸制度の良さも課題も、自分の国と比較して考察できるようになってほしい。そういう人材になってくれたら、学んだ意義があると思います。
「うちの学生はファイターであれ」 ― 企業へのメッセージ
―― 最後に、貴校の留学生の強み、企業へアピールできるポイントを教えてください。
録音されていると恥ずかしいのですが、私はいつも学生に「ファイターになれ」と言っています。
けんかをする人ではありません。自分の未来を切り開くために闘う人間であれ、ということです。自分の人生を能動的に切り拓いていく。チャンスが欲しいなら自分で動く。その「動く」の中には「学ぶ」ことも入ってきます。そういう力のある学生が育ってきているという自負はあります。
一方で、攻めだけではありません。今回の学習は、ある意味でディフェンス面です。制度を知って自分の足元を固めたうえでキャリアを作っていく。この両方が揃ってこそだと思っています。
だからこそ、うちの学生は渡り鳥のように転職を繰り返すのではなく、一社と決めたら目標を定めて人生を懸けて頑張れる学生が多い。定着が課題と言われる中で、そこは自信を持ってお伝えできます。
もう一つ。金沢は夏は暑く、冬は雪が降ってとても寒い。ここで育った学生は、日本のどこへ行っても働けると思うんですよ。「東京や大阪のような環境が良いところがいい、北陸は嫌だ」ではなく、うちの学校は全天候型。日本中どこでも戦えるぞ、という強みがあります。
学校は常にオープンにしていますので、企業の方にはいつでも自由に見に来ていただいています。学生にもどんどん話しかけてください。
取材を終えて
「まず自分の身を守る」―― 脇田先生のこの言葉に、制度教育の本質が凝縮されていると感じました。在留資格や労務管理の知識は、試験に受かるためのものではなく、外国人材が日本で安心して働き続けるための土台です。
LECは、いただいた率直なご指摘を教材改訂に活かしながら、外国人材本人と受け入れ企業の双方を支える学習コンテンツを提供してまいります。
金沢福祉専門学校 外国人留学生へのインタビューはこちら
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脇田 潤(わきた じゅん)先生
金沢福祉専門学校 グローバルビジネス学科。石川県内の公立学校で21年間教員を務めたのち、同校へ。グローバルビジネス学科の立ち上げを担当。行政書士(2026年4月登録・開業)として、外国人の在留資格関連業務にも従事。
金沢福祉専門学校について
- 学校名
- 学校法人 清永学園 金沢福祉専門学校
- 学科
- グローバルビジネス学科(2025年4月開設)
- 定員
- 60名
- 学生構成
- 全員が外国人留学生(ネパール/ミャンマー/スリランカ/バングラデシュ/モンゴル/ベトナムの6か国)
- 課程区分
- 商業実務課程
- HP
- https://k-fukushi.ac.jp/about/
LECの外国人/グローバル人材育成におすすめ研修
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外国人雇用管理主任者に関するよくある質問
Q1.外国人雇用管理主任者とはどのような資格ですか?試験について教えてください。
外国人雇用管理主任者とは、外国人を雇用するにあたっての知識を習得し、企業の外国人雇用をサポートできる人材育成を目的として設立された資格です。外国人を雇用するには、日本人の雇用とは異なる手続きや注意点があります。手続きにミスが発生すると企業側に罰則が与えられることもあり、注意が必要となります。外国人雇用管理主任者の資格を保持する人材がいれば、外国人雇用はスムーズかつ安全に行われます。
Q2.試験に合格したら、外国人雇用管理主任者を名乗れますか。
試験合格後、外国人雇用センターでの登録が必要となります。
試験合格者で、外国人雇用管理主任者としての行動準則を承認された方は、当センターに外国人雇用管理主任者として正式に登録していただくことができます。登録された方には当センターより認定外国人雇用管理主任者としての認定証を発行いたします。詳細はこちらでご確認ください。
Q3.外国人雇用管理主任者を取得するメリットや活躍フィールド、想定される業務を教えてください。
日本人の雇用とは異なる手続きや知識が必要なので、入国管理法、特定技能ビザなどの知識があることによって、外国人雇用をスムーズに進められることです。また、外国人労働者を雇用するにあたっての雇用契約書や就業規則の作成方法を熟知しているで、外国人労働者との日本人同士では起こり得ないトラブル、問題を早期解決・回避できることもメリットの一つです。
外国人雇用管理主任者の学習を通じて得られる知識は、企業側の人事担当者だけでなく、登録支援機関や管理団体といった外国人雇用をサポートする立場の方々や社会保険労務士や行政書士といった士業の方々、企業内の管理職など幅広いフィールドの方々にとって有用です。
Q4.他にも似たような資格がありますが、違いを教えてください。
「外国人雇用管理主任者」の特徴は、外国人雇用に関して、幅広く知識を得ることができることです。
「外国人雇用管理主任者」は外国人雇用に関わる全ての人に有用な資格ですが、特に企業の人事担当者や登録支援機関の支援担当者など、外国人雇用に対して特に深く関わる企業人にとって必要な知識を網羅することができますので、このような方にとって、非常に有用な資格となっております。また、雇用に関する最新制度や採用方法、入管法、労務管理など、分野を横断した総合的に学習できます。
Q5.外国人雇用管理主任者の資格はどのような場面で活かせますか。
外国人雇用管理主任者試験を通して、外国人雇用に関して様々な知識を学ぶことができます。例えば、
- 外国人材を雇用する企業の人事労務担当者様は採用から育成までの基礎知識がわかるのでサポートしやすい
- 外国人社員の上司または部下の立場で外国人の協働活躍する方
- ご自身が外国人で外国人の育成・管理をめさず幹部候補
- 教育機関大学・専門学校・日本語学校の講師や学生
- キャリアコンサルタントやコーチなどの専門家
- 人材サービス会社のご担当者
- 監理団体や登録支援機関の担当者
Q6.認定講習の受講方法を教えてください。
LECの資格認定講習専用サイトにログインし、講義動画をすべて視聴受講してからサイト内の修了認定試験に合格することで修了します。受講期間中、講義動画と修了認定試験はいつでも何度でも受講、受験が可能です。 受験は70%以上の正解をもって合格としています。
受講記録と合格記録は、LMS(学習管理システム)により自動管理されており、合格者には、受講翌月末までに、外国人雇用支援センターより合格証書および登録案内を郵送いたします。
Q7.認定講習の修了試験の難易度を教えてください。
講義動画をしっかり視聴受講することで合格できるレベルです。
受講期間内であれば、何度でも繰り返し動画視聴や受験が可能ですので、必ず期間内に合格して修了してください。
Q8.LECの実績を教えてください。
創立後40年以上の歴史を持っている弊社ですが、企業研修部門についても30年以上前よりご提案をおこなっております。数多くの名だたる大企業から中央省庁、自治体研修所の包括受託まで、豊富な受託・提供実績を持っており、資格スクール事業で培ったノウハウと併せて、貴社の人材育成を万全にお手伝いいたします。
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